ホイールウォッチング レアな車のホイール画像集 Vol.59 デ・トマソ マングスタ
ホェールウォッチングじゃなくて、ホイールウォッチングです。
レアな車に装着されているホイールは、車同様にレアなホイールなので、街中で見かけたらそれらを撮影し、順次画像をアップしていく企画です。
1970年代に沸き起こったスーパーカーブームを思い起こし、第57回がランボルギーニ カウンタック、第58回がフェラーリ365GTBBときたので、59回目はデ・トマソ パンテーラと行きたいところだったのですが、残念ながら今回はその先代となるデ・トマソ マングスタです。
「残念ながら…」なんて言っちゃってますが、このマングスタは製造僅か401台、現存は世界で200台程度と言われている極めてレアな車両で、過去にアメリカのオークションサービス「eBay Motors」に出品された後期型のヘッドライトポップアップ式2灯の1台は、22万5000ドル(約2436万6000円)の価格が付けられていたらしいので、その意味でも、今回のデ・トマソ マングスタは、正真正銘の劇レアな車両といえるでしょう。
デトマソではなく、デ・トマソと表記されるのは、アルゼンチン出身のアレハンドロ・デ・トマソが設立したものだから。
因みにこのマングスタのフロントグリルやホイールのセンターキャップに描かれている紋章は、デ・トマソのエンブレムで、アレハンドロの母国・アルゼンチンの国旗の配色に古代エジプトの女神「イシス」を表す象形文字(ヒエログリフ)を組み合わせたものなのだそうです。
確かにサッカーワールドカップでアルゼンチン代表が来ているユニフォームと同じ配色だわな。
このマングスタは、デ・トマソにとって最初となるヴァレルンガに続くモデル、パンテーラの前モデルで、マングスタという名はイタリア語でマングースを意味するもの。
なんでも、ACコブラの生みの親であるキャロル・シェルビーと、アレハンドロ・デ・トマソの確執から、コブラを喰うマングースという名が与えられたとの話もあるそうです。
さて、イタリア車でありながら、生みの親はアルゼンチンで、搭載しているエンジンはアメリカのマッスルV8という掘りの深いお顔の混血児みたいなデ・トマソ マングスタですが、今回撮影した個体は、丸目4灯の前期モデルのようです。
この車両を見つけ時、車オタの私でも車名が分からず、リアの車名表記を見て初めてデ・トマソ マングスタという車があるということが理解できたのです。
ランボルギーニ カウンタックやフェラーリ365GTBBのようにメーカーの刻印が無いのでホイールメーカーは分かりませんが、センターキャップにもデ・トマソのエンブレムがあるので、このホイールは純正ホイールなのでしょう。
タイヤのサイズ表記を見ると、フロントは215/60R15、リアは255/70R15サイズのタイヤを履いていました。
フロントのサイズに比べるとマングスタのリアタイヤはかなりファットですね。
恐らく、リアミッドに積んだV8エンジンの重さからくる前後重量配分のバランスで、リアにかなり太めのタイヤを要しているのだと思われます。
それにしても、ランボルギーニ カウンタックやフェラーリ365GTBB同様15インチサイズなのは分かりますが、ホイールは4穴なのですね…
確か、標準は4,728ccの305馬力、公害対策が施された米国向けは性能低下を補うため4,949ccの306馬力のハイパワーなエンジンが搭載されているにもかかわらず4穴ホイールとは…、現代の常識に照らし合わせると、4穴は驚きです。
おまけにホイールの外径と比較すると、中心にぎゅっと穴が寄っていますので、PCDは100mm-4H…、いやいやマングスタはイタリア車ですから98mm-4Hの可能性がかなり高いと思われます。
イタリア車だけど、生みの親はアルゼンチン、積んでいるエンジンは大排気量のアメリカンV8、にもかかわらずPCDはコンパクトカーと同じ(推定)PCD98mm-4Hという、意表を突くことだらけで混とんとしたデ・トマソ マングスタですが、そんなことを忘れさせるくらい魅力的な外観です。
ハーフに美人が多いのと同じなのでしょうかね。