JWLにVIA、JAWA いろいろあるホイールの安全基準
安全基準を満たしていない自動車用ホイールに、基準に適合したことを示す「JWL」マークを刻印して販売したとして、輸入タイヤ・ホイールなど、自動車部品ネット通販大手企業の社長と従業員が不正競争防止法違反(誤認惹起表示)の疑いで逮捕されたというニュースが一昨日テレビやネット上を駆け巡りました。
簡単に言うと、安全上問題があるホイールを問題ないかのようにして売っていたということですね。
ここで言う安全上の問題とは、そのホイールが破損や変形対する強度を保持せず、安全に使用することに耐えないことを言うのですが、そういった問題がないことを保証する基準が存在するのです(それも複数)。
日本におけるホイールの安全基準は以下の4つです。
JWL:国土交通省が通達した「乗用車用軽合金製ディスクホイールの安全技術基準」をホイールメーカーが自社試験で適合している場合に表示できる安全基準。
JWL-T:JWLのトラック・バス用ホイール版。JWL同様、国土交通省の通達した基準にホイールメーカーが自社試験で適合している場合に表示できる安全基準。
VIA:「JWL」「JWL-T」の技術基準に適合しているかを、第三者公的機関である財団法人 日本車両検査協会が試験し、適合が確認されたディスクホイールで、自動車軽合金製ホイール試験協会に登録されているホイールに付与する安全基準。
JAWA:JAWA(ジャパンライトアロイホイールアソシエイション)が付与する品質保証認定証のこと。JWL(JWL-T)とVIAの基準に適合しているホイールに表示できる安全基準。JAWA品質認定証には、PL(製造者損害賠償責任)保険が付保されています。
今回の社長と従業員が逮捕されてしまった某自動車部品ネット通販大手企業は、本来JWLがつけられないホイールに「JWL」の刻印を入れて販売していたのだそうです。
安全基準の中でも「VIA」は第三者機関が試験して認定するのに対し、「JWL(JWL-T)」はホイールメーカーの自社試験のみで表示できることも、今回のようなことが起こってしまった要因の様に思えます。
ならば「VIA」認証があれば安全なのか?というと、どうやらそうでもないようなのです。
このホイールの画像は、以前当ブログに投稿した「ENKEI RC-G5のコピー品にご注意を」という記事で取り上げた怪しいコピー品のホイールの画像です。
リムには「MADE IN JAPAN」じゃなくて「DESIGN JAPAN」、「ENKEI」じゃなくて「ENKEL」というなんとも変な刻印だけでなく、「JWL」や「VIA」の刻印も見えるのです。
刻印を入れること自体は、鋳造の型に入れさえすれば簡単に再現できてしまうので、コピー品を製造する業者にとっては至極簡単なことなのです。
「VIA」の刻印が入っているからと言って安心できないのが実情です。
こういった危険なホイールを掴まされないためには、コピー品を見抜く注意力や観察眼が必要になると思いますが、それが無い場合は、通販やネット販売ではなく、信頼のおける実店舗で購入する方が無難だと思います。