スポーティーで軽そうに見えるけど、実はそうじゃない、残念なホイール4選
ごく普通のセダンボディにレーシングカーと同等のエンジンを搭載した初代スカイラインGT-R。
そのキャッチコピーは「羊の皮を被った狼」だった。
以来、その手のクルマは決まって「羊の皮を被った狼」的だと評された。
逆に、見た目は速そうなのに、実際はそうでもないクルマは、「狼の皮を被った羊」なんて言われてしまうことも…
では、ホイールの世界ではどうなのだろう?
「狼の皮を被った」みたいなキャッチコピーは存在しないけれど、「軽そうなのに軽くない」については分からないでもない。
何故なら、当サイトでは、ホイールの重量を実際に計測し、15インチから18インチまで、外径サイズ別に重量ランキングを掲載しているからだ。
と言うことで今回は、羊の皮を被った狼ならぬ、狼の皮を被った羊的なホイールを各サイズ別に一つ選んで、(あくまで個人的なチョイスではあるが…)「軽そうなのに軽くない、残念なホイール」4選をまとめてみたいと思います。
狼の皮を被った羊的ホイール 15インチ編
15インチサイズでは、EK9シビックタイプR純正ホイールを推したい。
ホンダ シビック タイプR(EK9型)純正 15inch 6J offset+50mm PCD114.3mm-5H重量計測結果
このホイールは、見た目に軽そうと言う訳じゃないのだが、なんと言ってもホンダ タイプRシリーズの純正ホイールなのだ。
ご存知の通り、ホンダ タイプRシリーズは、ベース車両を徹底的に軽量化している。
だからなのだろう、EK9シビックタイプRより先行してリリースされたDC2 インテグラタイプRの純正ホイールは、純正ホイールでありながら軽量認定されているのだ。
ホンダ インテグラ タイプR(96SPEC)純正 15inch 6J offset+50mm PCD114.3mm-4H重量計測結果
と言うこともあるので、当然EK9シビックタイプRの純正ホイールも軽いのかと思いきや、なんと7.30kgもある…
同じホンダ タイプRシリーズだが、DC2 インテグラタイプRの純正ホイールとは大違い。
15インチホイール重量ランキングを見渡せば、グラベルラリー用のゴツくて、強度重視のホイールと肩を並べてしまっているのが残念だ。
狼の皮を被った羊的ホイール 16インチ編
16インチサイズでは、Buddy club P1 Racing SFを推したい。
Buddy club P1 Racing SF 16inch 7J offset+42mm PCD114.3mm-5H 重量計測結果
この細身6本スポークデザインのホイールは、見た目はかなり軽そうだ。
それもそのはず、当サイトの16インチ重量ランキングで3位に入っているBuddy club P1 Racing QFと見た目が殆ど同じなのだから。
僅か5.10kgで超軽量認定を受けているBuddy club P1 Racing QFは、鍛造製法で造られたホイール。
Buddy club P1 Racing QF 16inch 7J offset+45mm PCD114.3mm-5H 重量計測結果
一方Buddy club P1 Racing SFは鋳造なので、もう少し重たい程度なら仕方がないと思うが、こちらは7.45kgもあるのだ。
その差はなんと2.35kg。
見た目そっくりなのに重量は大違い。
Buddy club P1 Racing QFの軽さを期待して、このSFを購入した人は、さぞかしガッカリしたことだろう。
狼の皮を被った羊的ホイール 17インチ編
17インチサイズでは、OZ SPARCO PRO CORSAを推したい。
OZ SPARCO PRO CORSA 17inch 7.5J offset+48mm PCD112mm-5H重量計測結果
WRCやフォーミュラマシンでも装着率が高い世界的なホイールメーカーのOZと、同じく自動車競技界のメジャーブランドSPARCOのコラボモデルであるOZ SPARCO PRO CORSA。
それだけでもこのホイールの軽さに期待せざるを得ないのに、その名は「PRO CORSA」と来ている。
CORSAはイタリア語で競争やレースを意味する言葉。
PRO CORSAはプロレースって意味なのだろう。
マットブラックで、リムに青地に白抜きのSPARCOも文字もカッコよく、その出立からも軽量であることを期待させずにおれないのだが…
その重さは、なんと10.05kgの超ヘビー級。
この記事を書いている時点で、当サイトの17インチ重量ランキングのワースト3に位置しているのだ。
OZなのに、SPARCOなのに、PRO CORSA(プロレース)なのに、何故この重さ?
そんな疑問を持った人は、私以外にもかなりいるのではないでしょうか。
狼の皮を被った羊的ホイール 18インチ編
18インチサイズでは、DIREZZA RZS 4STを推したい。
DUNLOP DIREZZA RZS 4ST 18inch 8J offset+50mm PCD114.3mm-5H 重量計測結果
DUNLOP DIREZZA RZS 4ST 18inch 9J offset+48mm PCD114.3mm-5H 重量計測結果
ダンロップのスポーツタイヤブランドが冠されたDIREZZA RZS 4STは、鍛造ホイールで、そのサイズ表記の特徴から、鍛造ホイールメーカーとして有名な鍛栄舎製であるとわかるもの。
ダンロップのスポーツブランドで、あの鍛栄舎製なのだから、当然超軽量だと思うのも無理はない。
ところがだ、当サイトの18インチ重量ランキングを見ると、8Jと9Jの個体の重量計測データが存在するが、それぞれ9.30kgと9.95kgと、超軽量どころか軽量ホイールにも認定もされず、重量的には一般的なホイールと認定されている。
ランキングで肩を並べているのは、殆どが鋳造ホイールだ。
鍛栄舎製鍛造ホイールなのに、ダンロップのスポーツブランドなのに、どうしてその重さ?
製法とブランド名からすれば、せめて軽量ホイールと認定される8kg台に入って欲しいところなのだが、そうなっていないのが残念なところだ。
当サイトの重量ランキングからみた、狼の皮を被った羊的「スポーティーで軽そうに見えるけど、実はそうじゃない、残念なホイール」4選は以上。
これらのホイールが残念だと思われてしまう理由は、その名や製法、見た目によく似た軽いホイールの存在など、軽いと思わせる何かがありながら、実際は全然軽くないと言うことに尽きると思うのです。
ホイールに軽さを求めるユーザーある限り、この手の残念なホイールは困りものと言う以外ありません。
だから、この手の残念なホイールを選ばないためにも、軽量ホイールを探す際は、当サイトの重量ランキングを参考にしていただけますと幸いなのです。