B級ライセンス発給数から見たグラベル競技用ホイールの今後
最近「車に対する若い人の興味が薄れている」という話をよく耳にしますが、実際自分の身の回りにおいてもそれは変わらないと感じています。
このことは、「世の中的にも本当にそうなっているのか?」、「そうなっているとしたらどれくらい減少しているのか?」なんてことをちょっと考えたのです。
そこで、先ず見たのは警視庁の運転免許統計です。
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/koutsuu/menkyo.html
ここには昭和42年からの自動車運転免許に関する統計が出ています。
年代別の統計もありますので令和元年のそれを見ると、40歳代をボリュームゾーンとして高年齢の世代の免許保有者数が多いのは分かりますが、若い世代の免許保有者が減ってきていることを示す年代別統計の時系列推移のデータはありませんでした。
分かったのは、平成の間自動車運転免許保有者の数は、多少の凸凹があり、また最近は鈍化しているのですが、まだ増加傾向にあるということです。
自動車運転免許の保有者自体は未だ減っていないということは意外ですが、このデータからは若い人たちが車に興味がないかどうかは分からなかったですね。
次に見つけたのはJAFのライセンス発給数のデータです。
JAFのホームページには競技運転者許可証発給数が記載されているのです。
http://jaf-sports.jp/information/statistics/4wheel01.htm
ここではサーキットレースよりも敷居が低い、タイムトライル系の競技であるジムカーナやダートトライアル、それとラリーのJAF公認競技に参加するのに不可欠なB級ライセンスの発給数に着目してみました。
B級ライセンスの発給数は1992年の59,359をピークに下がり続け、2012年の22,359まで下がり続けています。
その後、少しずつ増え続け、2020年4月時点での統計上の直近となる2018年には、24,809となっていますが、それでもピーク時の半分に過ぎません。
参加型のモータースポーツであるジムカーナやダートトライアル、それとラリーに参加している人の数は平成の間に半分になってしまったのですね…
B級ライセンス発給数は年代別に出ていないので、若い人たちの間でライセンス保有者が減っているとはっきりわかりません。
ですが、実際に自動車競技に参加している人の多くは若年男性あるので、ライセンス発給数の減少は即ち若年男性のモータースポーツの参加機会の減少の現われであると取れなくはないと思います。
以前は若い人たちが次々にライセンスを取得して、モータースポーツの世界に入ってきたのに、今はそうなっていないためライセンス発給数が減り続けているのでしょう。
B級ライセンス保有者が少ないということは、ダートトライアル・グラベルラリー用の競技ホイールのマーケットもピーク時の半分になってしまっているのでしょうね。
果たして今後もグラベル競技用ホイールのマーケットが日本に存在し得るのか、アルミホイールマニアで、且つグラベル系競技経験者の私は、若者の車離れ以上に心配になってきました。
現行モデルが存在するグラベル用ホイールは
ADVAN RCⅢ
ENKEI RC-G5
RAYS TE37 GRAVEL
WORK M・C・O RACING
くらいでしょうか?
マーケットが縮小している今後、果たしてこれらのブランドは存続するのか?
後継モデルはでるのか?
グラベル系競技経験者としては心配にならないわけが無いのです。