2018年8月28日時点で、66点の15インチホイールの重量計測結果をまとめ、4kg台を超軽量、5kg台を軽量、6kg以上を普通のホイールと認定して、軽量ランキングを公開してきました。
超軽量ホイールの誉れ高きSPOON SPORT SW388を頂点に、DESMOND RegaMaster EVOやRAYS製の鍛造1ピースホイール等が上位を独占する一方で、普通の17インチホイール並みに8kgを超えるブランドも存在します。
ですが、これら15インチとしては重たい部類に入れられてしまうホイールの殆どが、強度・剛性に重きを置いているグラベルラリー、ダートトライアル用のホイールであることに注意しなければならないと思います。
それなので今回は、「グラベル競技向けホイール重量比較」と題して、ラリー、ダートトライアル用のホイールだけを抽出して、重量比較をしてみた次第です。
2018年8月28日時点で公開した66点の15インチホイールの重量計測結果の内、グラベルラリー、ダートトライアルに使用できるホイールを抽出してみたところ、以下の39点が該当しました(ENKEIのRC-TⅡRとCOMPOMOTIVEは、多くのユーザーがグラベルでも使用しそうだと考え、例外的にランキングに含めています)。
何のことはない、重量計測結果を公開した15インチホイールの内2/3位がグラベル競技系のホイールだったと言うわけですね・・・。
- 4.95kg VOLK Racing TE37 GRAVEL 鍛造1ピース 6.5J +39mm 100mm-5H
- 4.95kg VOLK Racing TE37 GRAVEL 鍛造1ピース 6.5J +45mm 100mm-5H
- 5.00kg Racing HART CP-035G 鍛造1ピース 6.5J +40mm 100mm-5H
- 5.20kg VOLK Racing TE37 GRAVEL 鍛造1ピース 7J +48mm 100mm-5H
- 5.25kg VOLK Racing TE37 GRAVEL 鍛造1ピース 6.5J +40mm 114.3mm-5H
- 5.30kg VOLK Racing TE37 GRAVEL 鍛造1ピース 6.5J +28mm 114.3mm-5H
- 5.55kg HART CP-FG 鍛造1ピースSSF製法 6.5J +42mm 100mm-5H
- 5.55kg DULOP FORMURA CP-G 鍛造1ピースSSF製法 6.5J +42mm 100mm-5H
- 5.70kg ENKEI SPORT RC-TⅡR 鋳造1ピース 6.5J +38mm 114.3mm-4H
- 5.85kg Prodrive GC-05 DT 鋳造1ピース 7J +43mm 100mm-5H
- 6.00kg Prodrive GC-010 DT 鋳造1ピース・MAT製法 7J +35mm 114.3mm-5H
- 6.05kg Prodrive GC-05 DT 鋳造1ピース 7J +35mm 114.3mm-5H
- 6.05kg Prodrive GC-010 DT 鋳造1ピース・MAT製法 7J +43mm 100mm-5H
- 6.35kg ADVAN Racing RCⅡ 鋳造1ピース 7J +43mm 100mm-5H
- 6.50kg ADVAN Racing RCⅢ 鋳造1ピース・MAT製法 6.5J +35mm 114.3mm-5H
- 6.55kg ADVAN Racing RCⅡ 鋳造1ピース 7J +43mm 100mm-5H
- 6.55kg ENKEI SPORT RC-TⅡ 鋳造1ピース 6.5J +40mm 114.3mm-5H
- 6.75kg STi GRAVEL for Rally 鍛造1ピース 6.5J +49mm 100mm-5H
- 6.75kg ENKEI SPORT RC-GⅡ 鋳造1ピース 6J +38mm 100mm-4H
- 6.80kg ADVAN Racing RC 鋳造1ピース 6.5J +45mm 100mm-5H
- 6.85kg ADVAN Racing RC 鋳造1ピース 6.5J +45mm 114.3mm-5H
- 6.85kg ENKEI SPORT ES-Gravel 鋳造1ピース・MAT製法 6J +44mm 100mm-5H
- 6.90kg Monster Sport TYPE-MⅡ 鋳造1ピース 6.5J +40mm 114.3mm-5H
- 7.10kg Winmax club itzz GV01 鋳造1ピース 7J +35mm 114.3mm-5H
- 7.20kg ENKEI SPORT ES-GRAVEL 鋳造1ピース・MAT製法 6.5J +45mm 114.3mm-4H
- 7.25kg ENKEI SPORT ES-Gravel 鋳造1ピース・MAT製法 6.5J +50mm 100mm-5H
- 7.30kg ADVAN Racing RC 鋳造1ピース 6.5J +35mm 100mm-5H
- 7.30kg ENKEI SPORT ES-GRAVEL 鋳造1ピース・MAT製法 6.5J +45mm 114.3mm-4H
- 7.45kg RAYS 57MOTOR SPORT G07GR 鋳造1ピース・RCF製法 7J +50mm 114.3mm-5H
- NEW!! 7.45kg ENKEI SPORT RC-G5 鋳造1ピース・MAT製法 6.5J +35mm 100mm-5H
- 7.50kg ENKEI SPORTS ES-GRAVEL 鋳造1ピース・MAT製法 7J +35mm 114.3mm-5H
- 7.55kg ENKEI SPORT RC-G4 鋳造1ピース・MAT製法 6.5J +50mm 114.3mm-5H
- 7.85kg WORK EMOTION 11R-FA 鋳造1ピース 7J +49mm 114.3mm-5H
- 7.85kg ENKEI SPORT RC-G4 鋳造1ピース・MAT製法 7J +50mm 114.3mm-5H
- 7.90kg WEDS SPORT SA-90 Gravel 鋳造1ピース 7J +43mm 114.3mm-5H
- NEW! 7.90kg ENKEI SPORT RC-G5 鋳造1ピース・MAT製法 6.5J +35mm 114.3mm-5H
- 7.90kg ENKEI SPORT RC-G4 鋳造1ピース・MAT製法 6.5J +38mm 114.3mm-5H
- 8.05kg WEDS SPORT SA-90 Gravel 鋳造1ピース 7J +43mm 100mm-5H
- 8.20kg WEDS SPORT SA-90 Gravel 鋳造1ピース 7J +35mm 114.3mm-5HNEW!!
- 8.25kg COMPOMOTIVE MO5 鋳造1ピース 7J +40mm 114.3mm-4H
- 9.00kg DUNLOP DIREZZA RZS 4GR 鋳造1ピース 7J +33mm 114.3mm-5H
これら39点の重量計測結果からグラベル競技系ホイール最軽量は4.95kgで、超軽量認定を受ける6.5J 、PCD100mm-5Hの2タイプのVOLK Racing TE37 GRAVELとなりました。
これらを含め6kg未満の軽量認定以上の領域には、10点のホイールが入っていますが、この内8点が鍛造1ピースホイールもしくはSSF製法(半融解鍛造製法)のホイールです。
鋳造ホイールでも、ENKEI SPORT RC-TⅡRとProdrive GC-05 DTの2点が5kg台の軽量認定の領域に入りました。
39点の重量計測結果を眺めていると、ブランド毎の大まかな軽量度合いも何となく判る気がします。RAYS<HART<Prodrive<ADVAN<ENKEI<WEDS他といった感じですかね。
さて、この重量計測結果を見ながら、おすすめのグラベルラリー用・ダートトライアル用ホイールを考えてみました。
グラベルラリー用・ダートトライアル用ホイールでは、荒れた路面を走行しなければならないので、ただ軽いだけではおすすめになり得ないと思います。
重い=強度・剛性があると考えるのならば、深い轍でグレーチング(路面を横切るコンクリート製の排水溝)が露出した路面や、長距離走行するインターラリーでは、7kg以上のホイールを使用するのが無難かもしれません。
スペシャルステージが短めの国内ラリーであれば、7kg未満のホイールも選択肢に入ってくるでしょう。ラリーと比べて路面の状態が良いことが多い、また走行距離も少なく、秒以下のコンマ秒差で勝負を争うダートトライアルでは、より軽量なホイールを選ぶのが良いでしょう。
上記を踏まえ、個人的な好みも交えつつ具体的なブランドを挙げるとすると、軽量さを重視できるダートトライアル用には、RAYSのVOLK Racing TE37 GRAVELを、強度・剛性を重視しなければならないインターラリー用には、排土性も考慮したデザインを採用し、ブレーキへの石噛みが少ないことも期待できるENKEI SPORT RC-G4がお勧めです。
また、軽さと剛性のバランスを考えるとADVAN Racing RCⅢを選択するのも良いと思います。
ENKEIはRC-G4からRC-G5に代替わりしていましたが、遂にその重量計測データを追加しています。
RC-G4とほぼ同じ感じですね。
(2024年8月28日更新)※NEW!!、NEW!の表示ある箇所が追加されたものです。