拡大し原点回帰するホンダ車のPCD
以前、「スバル 新型SK9フォレスターのPCDについて 進むスバルのPCD114.3mm化」というタイトルの記事をアップしましたが、PCDの値が拡大しているのは、どうやらスバルだけではないようです。
殆どの車種でPCD100mm-4Hか、PCD114.3mm-5Hを採用するホンダも、レジェンドやFK2/FK8型のシビックタイプRといった限られた車種ではPCD120mm-5Hを採用し始めています。
車両重量が重くなるほど、またエンジン出力(トルク)が大きくなるほど、ホイールナット穴周りに掛かる負担も大きくなるため、PCDの数値が大きくなることは当然。大きくて重いレジェンドや、ハイパワーなシビックタイプRのPCDの大型化は、正に理に適っていると言えます。
とは言え、レジェンドより大きく、シビックタイプRよりハイパワーであっても、PCD114.3mmを採用している車種も多数ありますので、ホンダ車のPCD120mm-5化に対しては、最初は「BMWやレクサスLSへの対抗意識か?」などと下衆に思っていたのです。
しかし、いろいろ調べてみたら、どうやらそうではないことが分かってきました。
ホンダにとってPCD120mmの採用は、レジェンド、シビックタイプRといった最近の車種からではないのです。
ホンダ車のPCD120mmの採用は、今から40年以上前の1970年代からで、極めて厳しい燃費基準を定めたアメリカのマスキー法クリアしたCVCCエンジンで世界を驚かせた初代シビックや、空冷エンジンを搭載した独創的なホンダ1300、初代アコードといったホンダ車は、意外にもPCD120mm-4Hサイズを採用していたのです。
ホンダのPCD120mm採用は極最近ではなく、1970年代だったのですね。
ホンダにとって、PCD120mmを採用することは、車両重量の増大やハイパワー化への対応だけでなく、ある意味原点回帰とも言うべき変化だったということなのかもしれません。
ホンダ車は、これから120mm、114.3mm、100mmと、3タイプのPCDを併用していくのでしょう。
場合によっては第四のサイズを採用することもあるかもしれません。
何故なら、1960年代のS600やS800では、PCD130mm-5Hなんてビックリするようなサイズを採用していたこともあるからなのです。
S600やS800のホイールサイズは13インチだったと記憶していますが、そんな小径ホイールでありながら、ポルシェ並みのPCD130mmを採用した理由はわかりませんが、ホンダ車の第四のPCDサイズとして130mmも無くはないと思っているのです。