ホイールウォッチング レアな車のホイール画像集 Vol.124 プリンス 1900スプリント
ホェールウォッチングじゃなくて、ホイールウォッチングです。
レアな車に装着されているホイールは、車同様にレアなホイールなので、街中で見かけたらそれらを撮影し、順次画像をアップしていく企画です。
今回採り上げるのは、2023年9月29日(金)から10月30日(月)まで、横浜の日産グローバル本社ギャラリーに展示されていたプリンス1900スプリントです。
全長4015mmほどのコンパクトな4人乗りクーペであるプリンス1900スプリントは、市販車ではなく1963年にプリンス自動車工業が東京モーターショーで展示したショーカーです。
プリンス自動車工業の井上猛氏によりデザインされ、S50スカイラインをベースにプリンスの三鷹分工場試作課で作製されました。
デザイナーの井上氏がイタリアの工房で自動車デザインの修業を積んだことから、プリンス1900スプリントは、どことなく1960年代のイタリアンスポーツクーペ的な外観をしているのが特徴でしょう。
1963年の東京モーターショーで展示された実際のプリンス1900スプリントは、1980年代まで日産社内に保管され、その後廃棄されてしまったそうです。
今回、日産ギャラリーに展示されたのは、実際のプリンス1900スプリント同様、S5型のスカイラインをベースに、当時の姿を再現したものなのです。
どうやって当時のプリンス1900スプリントの姿を再現したのか?
再現の鍵となったのはプリンス1900スプリントが装着していたホイール。
このプロジェクトが始動した際、日産社内には既にプリンス1900スプリントの図面はなかったのですが、日産モータースポーツ&カスタマイズのオーテックデザイン部が、プリンス1900スプリントのサイドビュー写真から、外径13インチのホイールを手掛かりに寸法を割り出し、縮尺サイズの小さなクレイモデルを制作し、そこからプリンス1900スプリントの再生がはじまっていったそうなのです。
歴史的な車両の再生のスタートが、ホイールのサイズをベースにしていたとは驚きですね。