大人の事情で? 鍛栄舎製となったブリヂストンの鍛造ホイール
最近重量計測結果を公開したブリヂストンの最新鍛造ホイールであるPOTENZA RW007は、内リムの端にサイズ表記の刻印のされていることから鍛栄舎製であるとわかります。
その前のモデルであるPOTENZA RW006も同様に鍛栄舎製です。
POTENZAブランドのみならず、ブリヂストンが販売するPRODRIVEブランドも現在販売している鍛造ホイールは鍛栄舎製であると聞いています。
それもそのはず、タイヤメーカーであるブリヂストンは、自社でホイールの生産ラインを持っておらず、その生産はホイールメーカーに委託しているからです。
ブリヂストンが生産を委託していたホイールメーカーはいくつもあり、例えば、PRODRIVEブランドのGC-06Dは、サイズによって生産委託先が異なっていました。
BRIDGESTONE FVS Prodrive GC-06D 17inch 8.5J offset+34mm PCD114.3mm-5H 重量計測結果
鍛造製法で作られた17インチ以上はレイズに、半融解鍛造製法で作られた16インチは今はなきスピードスターレーシングに、鋳造製法で作られた15インチはエンケイに製造を委託していたのです。
その他 PRODRIVEブランドも、GC-05K、GC-07C、GC-010E、GC-010Gは、17インチ以上のサイズは鍛造製法で作られていて、それらはGC-06D同様、レイズに生産委託されていたのです。
これだけ見ると、ブリヂストンとレイズの関係は強い様に見えるのですが、今は鍛栄舎になっているのが不思議ですよね。
ブリヂストンの鍛造ホイールは、何故鍛栄舎製になったのでしょうか?
しっかり裏を取った訳じゃないのですが、どうやらそこには大人の事情みたいなものがあるようなのです。
今から数年前、東京オートサロンの横浜ゴムのホイール専門ブースで聞いたのですが、横浜ゴムから発売されている鍛造ホイールはレイズ製であるとのことでした。
今販売されているADVAN Racing GTや、RZ-DF2などはレイズ製なんですね。
横浜ゴムの鍛造ホイールがレイズ製だとすると、競合企業であるブリヂストンはレイズに製造を委託するでしょうか?
やっぱりしないでしょう。
横浜ゴムの鍛造ホイールがレイズ製になったから、ブリヂストンの鍛造ホイールは鍛栄舎製に変わったんじゃないかと私は思っているのですよ。
ブリヂストンの人にそんなこと聞いても答えてくれる訳ないので、聞いていませんが、十中八九その通りだと思っています。
日本国内で鍛造ホイール製造用のプレス機を自前で持つのは、鍛栄舎とレイズ、あとはBBSくらい。
この内BBSは、純正オプションホイールの生産は引き受けていますが、それ以外に他社ブランドの生産をやっているとは聞いたことがありません。
鍛造ホイールの製造委託先は限られていますから、生産委託先の奪い合いが起こるのも無理もないということなのでしょうね。