ホイールウォッチング レアな車のホイール画像集 Vol.40 トヨタ 222D
ホェールウォッチングじゃなくて、ホイールウォッチングです。
レアな車に装着されているホイールは、車同様にレアなホイールなので、街中で見かけたらそれらを撮影し、順次画像をアップしていく企画です。
第40回は、東京青海にあるTOYOTA MEGA WEB内HISTORY GARAGEに展示されている伝説のWRCグループSマシン、トヨタ222Dです。
トヨタ222Dは欧州に1台と日本に1台、合計2台しか存在しないため、劇レアな車両と言って良いと思います。
グループBに代わるカテゴリーとして計画されたグループSに参戦する目的で開発されたトヨタ222Dは、外観はAW11型初代MR2を模しているものの、そのミッドシップには、KKK製ターボを装着し500馬力以上を発揮する3S-GTE改エンジンを搭載している市販車のMR2とは別物の車両なのです。
そもそもグループSとは、開発コストの高騰に加え、ヘンリ・トイボネンやアリ・バタネンといった手練れのドライバーですら制御できないほどハイパワーになり過ぎたグループBへの反省から、最高出力を300馬力に制限する一方で、ホモロゲーションに必要な台数を、わずか10台としたことで、より多くのメーカーの参戦を促すとともに、様々なアイデアを生み出すよう考えられていたカテゴリーなのです。
このトヨタ222Dも、このグループSへの参戦を目的に開発されましたが、FIAはグループBに代えて、市販車ベースのグループAで世界選手権を行うことを決定したため、トヨタ222Dは実戦投入されることなく、保管されたままになっているのです。
トヨタ222Dにはマットブラックに塗装されたSPEEDLINE製のホイールが装着されています。
タイヤはピレリ製で、ホイールはハブボルトにナットで留められています。
タイヤサイズからするとホイールは15インチサイズなのでしょう。
計測してみたところ、PCDは100㎜-5Hとなっていました。
グループA時代のトヨタのWRCマシンだったST185/ST205セリカは、市販車と異なる114.3㎜-4Hでした。
ホイールウォッチング レアな車のホイール画像集 Vol.15 Gr.Aトヨタ セリカGT-Four ST185 1993年オーストラリアラリー優勝車
グループA時代以前のトヨタ222Dは、それらとは異なるPCD100mm-5Hを採用していますが、恐らく市販型のST165セリカGT-FOURの駆動系を流用しているからだと思っています。
グループBは1986年シーズンで終了、時を同じくして1986年にはトヨタ初のベベルギア式センターデフをもつフルタイム4WDのST165セリカGT-FOURがデビューしていますので、その時期を考えると駆動系はST165セリカのものを流用していると考えるのが妥当だと思うのです。
トヨタWRCマシンのPCDの歴史は、グループS時代のPCD100㎜-5Hから、グループA時代のPCD114.3㎜-4Hを経て、現代のYARIS WRC 2020のPCD130㎜-5Hに繋がっているのですね。