鍛造ホイールと鋳造ホイールの見分け方
最近はオークション等で中古のアルミホイールを入手することは特に珍しいことではなくなりました。
オークションで落札しようとしているホイールが有名なホイールであるならば、そのホイールが、どのような使用目的に向いているのか?凡その市場価値がいくらぐらいなのか?等といったことが何となく分かりますが、そうでない場合はまったく判断できません。
せめて、オークションで落札しようとしているそのホイールが、鍛造なのか鋳造なのかわかるだけでも多少の判断材料になるのですが…。
では、ホイールを見た目だけで鍛造ホイールか鋳造ホイールか判断する方法はあるのでしょうか?
全てのホイールに当てはまるわけではないですが、見極める方法はあるのです。
さて、上の画像に注目してみてください。
何れもホイールの内側、ハブ穴周りやスポークの裏にあるホイールのサイズに関する情報が読み取れる箇所の画像です。
左側が鋳造ホイール、右側が鍛造ホイールのものです。
良く見てみると、左の鋳造ホイールのサイズ情報は盛り上がっていて、右の鍛造ホイールのサイズ情報は刻印で彫り込まれています。
鋳造ホイールのサイズ情報は盛り上がり、鍛造ホイールのサイズ情報は刻印、これが見分けるポイントなのです。
何故このような差があるのか?実はホイールの製造方法によってこの様な差が生じるのです。
鋳造ホイールは型に溶けたアルミを流し込んでホイールを成形します。
それに対して鍛造ホイールはアルミ地金にプレス機で圧力をかけながら成形します。
鍛造はアルミの塊を潰しながらホイールを作って行くわけですからホイールの一部に突起を残して成形することは、その製造過程から考えると非常に難しいのです。
鋳造ホイールの場合は、アルミを流し込む型にサイズ情報を刻印するので、成形されたホイールではその部分が盛り上がって現れます。
また、砂型で製造した鋳造ホイールは表面のざらつきが出ます。
ハブ穴周りのホイール情報が表示されている箇所にザラザラした鋳型の表面がそのまま残っているものは、まず間違いなく鋳造ホイールだと思います。
「全てのホイールがこの方法で見極められるか?」といえばそうでも無く、例外も存在するのですが、大抵のホイールはこの方法で鍛造か鋳造かを見分けられます。
「鍛造ホイールと鋳造ホイールの見分け方」以外にも、アルミホイールに関する豆知識を多数まとめています。こちらも是非ご覧ください。