ホイールメーカーだけがアルミホイールを販売している訳ではありません。ホイールメーカーに製造委託して、自らが企画・デザインしたホイールを販売する形態もあるのです。
その一つがTRD、NISMO、無限、STi、MAZDASPEED、RALLIARTといった自動車会社直系チューナーから発売されているホイールです。
当サイトでは、これまでこれら自動車会社直系チューナーのホイールの重量計測結果を20も公開してきているので、今回はこれらのホイールの重量を纏めてみました。
重量計測結果の内訳はTRD、無限、MAZDASPEEDが4つ、STiが5つ、NISMOとRALLIARTが3つとなっています。
TRD
7.15kg TRD T-3 鍛造1ピース 17inch 7.5J offset+30mm PCD100mm-5H
7.45kg TRD T-3 鍛造1ピース 17inch 7.5J offset+40mm PCD114.3mm-5H
6.40kg TRD T-3 鍛造1ピース 16inch 8J offset+40mm PCD114.3mm-5H
5.75kg TRD TF3 鋳造1ピース 15inch 7J offset+48mm PCD100mm-4H
NISMO
7.30kg nismo GT-4 鍛造1ピース 17inch 7.5J offset+30mm PCD114.3mm-5H
8.10kg nismo GT-4 鍛造1ピース 17inch 8.5J offset+40mm PCD114.3mm-5H
4.35kg nismo MM-8 鍛造1ピース 15inh 6J offset+50mm PCD100mm-4H
無限
7.50kg 無限GP 鍛造1ピース 18inch 7.5J offset+48mm PCD114.3mm-5H
6.20kg 無限MF10 鍛造1ピース 16inch 7J offset+50mm PCD114.3mm-5H
5.80kg 無限MF8 鍛造1ピース 16inch 7J offset+52mm PCD114.3mm-4H
4.55kg 無限MF10 鍛造1ピース 15inch 6.5J offset+45mm PCD100mm-4H
STi
8.90kg STI Performance 鍛造1ピース 18inch 8J offset+53mm PCD114.3mm-5H
9.05kg STI Performance 鍛造1ピース 18inch 8J offset+53mm PCD114.3mm-5H その2
9.30kg STI Performance 鍛造1ピース 18inch 8.5J offset+53mm PCD114.3mm-5H
7.30kg STi RS-ZERO 鍛造1ピース 17inch 7.5J offset+48mm 100mm-5H
7.55kg STi RS-ZERO 鍛造1ピース 17inch 8J offset+40mm 100mm-5H
MAZDASPEED
7.80kg MAZDASPEED MS-01S 鍛造1ピース 18inch 8J offset+40mm PCD114.3mm-5H
6.40kg MAZDASPEED MS-01S 鍛造1ピース 16inch 8J offset+33mm PCD114.3mm-5H
6.00kg MAZDASPEED MS-01S 鍛造1ピース 16inch 7J offset+33mm PCD114.3mm-5H
4.40kg MAZDASPEED MS-01S 鍛造1ピース 15inch 6.5J offset+35mm PCD100mm-4H
RALLIART
8.15kg RALLIART Evolution R-01 鍛造1ピース 18inch 8.5J offset+35mm PCD114.3mm-5H
7.80kg RALLIART Evolution R-01 鍛造1ピース 17inch 8.5J offset+35mm PCD114.4mm-5H
6.25kg RALLIART Evolution R-01 鍛造1ピース 16inch 7J offset+40mm PCD100mm-4H
※左から重量、ブランド名、製法・構造、インチ数、リム幅、オフセット、PCDの順
製造委託先はRAYSが最多
今回、重量まとめの対象となったホイールブランドの製造委託先は、ENKEI製の可能性が高いと思っているTRD TF3を除き、RAYSが圧倒的な多さです。
当サイトで重量計測結果を公開したことがある自動車会社直系チューナーの多くが、軽量化競争が激化した2000年代のホイールであるということも、製造異委託先がRAYSに集中している理由だと思います。
その当時、メーカー純正ホイールのラインナップ最上位に、BBSのホイールが鎮座することが多い一方で、「それとは違う別の軽量ホイール」の選択肢としてRAYSが選ばれたのだと思っています。
最近は状況が変わってきていて、自動車会社直系チューナーから発売されるホイールの多くは、RAYS以外のメーカーに製造委託された鋳造1ピースのものも多くなってきているように思えます。
軽量認定が殆ど、意外に超軽量は少ない
鍛造1ピースホイールが多いので、「超軽量ホイールに認定されているものが殆どか?」と思いきや、軽量止まりとなっているものが多いのも意外です。
純正アルミホイールが、強度・剛性面おいてマージンを確保せざるを得ないため、いたずらに軽量を追い求めることは出来ないことから、必ずしも軽量ではないことと理由が同じなのではと考えています。
自動車会社との関係が深い自動車会社直系チューナーは、自動車メーカー同様に変形やクラック発生のリスクを負うよりも、強度・剛性面おけるマージンをもった製品を出さざるを得ないのではないかと思われます。
それ故、軽量かつアンダーパワーの車両に使用される15インチ、16インチには超軽量が多いのかもしれません。それに当てはまらない18インチの無限GPとMAZDASPEED MS-01は「重量面で結構攻めたホイールだと」言って良いと思うのです。
前述の通り、最近は状況が変わってきていて、自動車会社直系チューナーから発売されるホイールの多くが、鍛造1ピースではなく、鋳造1ピースのものが多くなってきているため、無限GPやMAZDASPEED MS-01を超える超軽量な自動車会社直系チューナー系ホイールが、今後も発売されるのかが大変気になるところです。