アルミホイールは車種によって装着できるサイズが異なります。
おまけにカッコ良さを重視したツライチセッティングともなりますと、サイズ選択を間違えれば、車体からはみ出してしまったり、フェンダーやサスペンションに干渉してしまう等のトラブルを招きかねません。
社外ホイールを購入する場合は、ホイールメーカーの適応サイズ情報に従って購入するのが一番無難な選択でしょう。
それ以上にツライチを目指すとしたら、サイズ選択が非常に重要になってくるのですが、そういった情報がまとめられているわけではないので、探すのには結構骨がおれるのです。
当サイトでは、車種ごとに純正ホイールサイズと、主要ホイールブランドにおける適応サイズを纏めていくことにしました。
第2回の対象車種には、最近は絶滅危惧種となりつつある国産ホットハッチの筆頭、ZC33S型 スイフトスポーツを選んでみました。
ZC33S型 スイフトスポーツはコンパクトなボディにも関わらず、5穴タイプを採用しているため、社外ホイールの選択肢が意外に少ないのがオーナーの悩みのタネなのではないでしょうか。
さて、そんなZC33S型 スイフトスポーツに使用可能なホイールサイズはどのようなものなのでしょうか。
ZC33S型 スイフトスポーツの純正ホイールサイズ
先ずは、基準となるZC33S型 スイフトスポーツの純正ホイールのサイズを確認してみます。
ZC33S型 スイフトスポーツの純正ホイールサイズ
・17inch 6.5J offset+50mm PCD114.3-5H
ベースとなるスポーツの付かない通常版のスイフトと、ボディは共通ですが、車幅に関しては前後共に40mm拡大されています。
それでもコンパクトであることに変わりはないので、ボディサイズに少々不釣り合いな17インチサイズの純正ホイールを装着しています。
そのためなのでしょうか、17インチサイズのホイールとしてはかなり細めの6.5Jのリム幅となっています。
ZC33S型 スイフトスポーツの純正ホイールにおけるハブ接合面から内外両側のリムまでの距離
次に、基準となる純正アルミホイールのサイズから、内外のリムがどの位置にあるのかを確認しておきましょう。
1J=1インチ=25.4mmですので、6.5Jのリム幅をミリ単位に換算すると、165.1mm(25.4×6.5)になります。
17インチ、6.5J、オフセット+50mmの場合は、ホイールのリム幅の中心線が、内外のリムから、165.1mmの半分となる82.55mmのところにありますが、ハブ接合面は外リム側に50mmオフセットしているので、ハブから外側のリムまでの距離は82.55-50=32.55mm、逆に内側のリムまでの距離は82.55+50=132.55mmとなります。
ZC33S型 スイフトスポーツの純正ホイールのサイズから、装着に支障がないセイフティサイズを導き出すとしたら、ハブ接合面から外側に32.55mm、内側に132.55mmの範囲に収まるホイールサイズならば、装着に関して何ら問題はないと判断できます。
加えて、大抵の国産車の場合は、太さ8-10mm位はあると思われるタイヤチェーンを取り付けたとしても、特に問題が起きないよう純正ホイールのサイズは設定されているため、タイヤチェーンの太さ分くらい外に出る範囲に収まるサイズならば、まず問題が起きない「セイフティサイズ」と言えると思います。
それでは、上記を踏まえてZC33S型 スイフトスポーツ用の社外ホイールのサイズを見ていきましょう。
※2020年8月1日時点の情報です
ZC33S型 スイフトスポーツ用社外ホイールのサイズ
ホイールメーカーを代表して、鍛造ホイールの代名詞とも言うべきRAYSと、鋳造ホイールの代表ENKEIの製品の中から、スポーツホイールと思われるブランドの適応サイズ情報を見て、ZC33S型 スイフトスポーツ用と明記されるものをピックアップしてみました。
付記されている注記の意味は以下の通りです。
RAYSホイールの注記は、
* はフェンダーから突出及び干渉するおそれがあることを意味しています。
**はフェンダーから突出するので、装着には十分注意する必要があることを意味しています。
ENKEIホイールの注記は、
Cr.フェンダーからの突出に注意する必要があることを意味しています
RAYSもENKEIも、注記の後のFはフロント側、Rはリア側を意味しています。
また、これら注記は、車高やキャンバー角の設定など、全て純正設定を前提としてつけられていると思われます。
RAYSとENKEIのスポーツホイールでは、下記20サイズがZC33S型 スイフトスポーツ用として明記されていました。
1.17inch 6.5J offset+48mm PCD114.3-5H
ENKEI Performance Line PF01:注記無し
2.17inch 7.0J offset+50mm PCD114.3-5H
RAYS Gram LIGHTS 57Transcend REV LIMIT EDITION:注記無し
3.17inch 7.0J offset+48mm PCD114.3-5H
RAYS VOLK RACING ZE40:* F
RAYS Gram LIGHTS 57XTREME REVLIMIT EDITION:* F
ENKEI Racing Revolution NT03RR:注記無し
ENKEI Performance Line PFM1:注記無し
ENKEI Performance Line PF03:注記無し
ENKEI Performance Line PF07:注記無し
ENKEI Performance Line PF01:注記無し
4.17inch 7.0J offset+45mm PCD114.3-5H
ENKEI RACING RP-F1:注記無し
ENKEI Performance Line PF05:注記無し
ENKEI Sport RC-T5:注記無し
5.17inch 7.0J offset+38mm PCD114.3-5H
ENKEI Performance Line PF01:Cr.F
6.17inch 7.5J offset+50mm PCD114.3-5H
ENKEI Racing Revolution NT03RR:注記無し
7.17inch 7.5J offset+48mm PCD114.3-5H
RAYS VOLK RACING ZE40:**FR
ENKEI RACING RP-F1:注記無し
ENKEI Performance Line PFM1:注記無し
ENKEI Sport RC-T5:注記無し
8.17inch 7.5J offset+47mm PCD114.3-5H
RAYS VOLK RACING ZE40 TIME ATTACK II :**FR
9.17inch 7.5J offset+45mm PCD114.3-5H
ENKEI Performance Line PF07:Cr.F
ENKEI Performance Line PF01:Cr.F
10.17inch 7.5J offset+42mm PCD114.3-5H
RAYS VOLK RACING ZE40 TIME ATTACK II :**FR
11.17inch 7.5J offset+38mm PCD114.3-5H
ENKEI Performance Line PF01:Cr.FR
12.17inch 7.5J offset+35mm PCD114.3-5H
ENKEI Racing Revolution NT03RR:Cr.FR
13.18inch 7.0J offset+48mm PCD114.3-5H
ENKEI Performance Line PF07:注記無し
ENKEI Performance Line PF01:注記無し
14.18inch 7.0J offset+38mm PCD114.3-5H
ENKEI Performance Line PF01:Cr.F
15.18inch 7.5J offset+50mm PCD114.3-5H
RAYS Gram LIGHTS 57Transcend REV LIMIT EDITION :**F * R
RAYS Gram LIGHTS 57CR :**F * R
16.18inch 7.5J offset+48mm PCD114.3-5H
RAYS VOLK RACING ZE40:**FR
ENKEI RACING GTC02:注記無し
ENKEI RACING RP-F1:注記無し
ENKEI Performance Line PF05:注記無し
ENKEI Performance Line PFM1:注記無し
ENKEI Performance Line PF03:注記無し
ENKEI Performance Line PF07:Cr.F
17.18inch 7.5J offset+45mm PCD114.3-5H
ENKEI Performance Line PF01:Cr.F
18.18inch 7.5J offset+42mm PCD114.3-5H
RAYS VOLK RACING ZE40 TIME ATTACK II :**FR
19.18inch 8J offset+45mm PCD114.3-5H
ENKEI Racing Revolution NT03RR:Cr.F
ENKEI Racing Revolution GTC01RR:Cr.F
ENKEI RACING GTC02:Cr.F
ENKEI Performance Line PF05:Cr.F
ENKEI Performance Line PFM1:Cr.F
ENKEI Performance Line PF07:Cr.FR
ENKEI Performance Line PF01:Cr.FR
20.15inch 6.0J offset+35mm PCD114.3-5H
RAYS TE37 GRAVEL
17インチ、6.5JサイズのZC33S型 スイフトスポーツ用ホイール
01.の17inch 6.5J offset+48mm PCD114.3-5Hサイズは、純正ホイールとほぼ同じサイズです。
純正比較で僅かにホイールの外側のリムが2mm外に出るだけなので、装着には何ら問題ないですね。
17インチ、7JサイズのZC33S型 スイフトスポーツ用ホイール
02.から05までは、外径17インチ、純正より0.5J太いリム幅7.0Jで、50mm、48mm、45mm、38mmとオフセット値が異なるサイズラインナップです。
offset+50mmサイズは、純正ホイールよりリム幅が0.5J(12.7mm)太いだけでオフセット値も同じサイズです。
純正ホイール比で、外リムと内リムそれぞれ0.5Jの半分となる6.35mmずつ外にでるだけなので、こちらも装着は問題なさそうですね。
offset+48mmサイズでは、ENKEIの5ブランドには注記が付いていない一方で、RAYSの2ブランドについては、フロントがフェンダーから突出及び干渉するおそれがあるという注記がついています。
これはホイールのディスク面のフェイスデザインの影響ではないかと考えています。
ホイールのフェイスデザインにおいては、リムオーバーデザインやオーバーフランジデザインといったものがあり、これらはディスクやスポークの一部が、リムより外に出るもので、立体的で奥行きを感じるデザインになる利点があるものです。
その反面、ディスクやスポークの一部がリムより外に出ているので、リム幅以上にホイールの一部が突出することになるのです。
ここで挙げられたエンケイの5つのホイールブランドのディスクデザインは、ホイールのリムから外側にでる部分が無いデザインになっているのでしょう。
これらの状況からoffset+48mmサイズは、ホイールデザインによってはフロント側のフェンダーから突出及び干渉するおそれがあると考えた方が良いでしょう。
offset+45mmサイズも、ENKEIの3ブランドに注記が付いていません。
ですが、03.のサイズよりも外側に3mm外に出るサイズ設定なので、03.のサイズ同様ホイールデザインによってはフロント側のフェンダーから突出及び干渉するおそれがあると考えた方が良いでしょう。
offset+38mmサイズになると、純正比でリム幅が0.5J太いため、その分で6.35mm、更にオフセットで12mm、合計18.35mmリムが外側に出る計算となります。
流石にENKEIのホイールでも、このサイズともなるとフロント側にフェンダーからの突出に注意する必要との注記が付きました。
17インチ、7.5JサイズのZC33S型 スイフトスポーツ用ホイール
06.から12.までは、外径17インチ、純正より1J太いリム幅7.5Jで、50mm、48mm、47mm、45mm、42mm、38mm、35mmとオフセット値が異なるサイズラインナップです。
offset+50mmは、純正ホイールよりリム幅が1J(25.4mm)太いだけでオフセット値も同じサイズです。
純正ホイール比で、外リムと内リムそれぞれ1Jの半分となる12.7mmずつ外にでることになるのですが、ENKEIのホイールには注記が付きませんでした。
純正ホイールより1J(25.4mm)も太いのに本当に大丈夫かと思われるでしょうが、リム幅が7Jとなっている05.のサイズと比較すると、05.のサイズは18.35mmも外にでているのに、こちらは12.7mmだけ外に出る程度なのです。
このサイズはリム幅7.5Jと太いですが、05.のサイズよりはリムが外にでないサイズなのです。
offset+48mmは、offset+50mm 同様ENKEIのブランドには注記が付いていない一方で、RAYSのZE40については、フロントリア共にフェンダーから突出するので、装着には十分注意する必要があるという注記がついています。
ちょうど0.5J細い 17inch 7.0J offset+48mmの03.サイズでも、ZE40はフロントがフェンダーから突出及び干渉するおそれがあるという注記がついていますが、7.5J のリム幅になると、フロントもリアもフェンダーから突出するので、装着には十分注意する必要と、一段階上がった注記が付けられています。
offset+47mmは、更に1mm外にでるサイズ設定なのですが、ZE40 TIME ATTACK IIとZE40とでデザイン上の差は無いので、フロントもリアもフェンダーから突出するため装着には十分注意する必要があることは変わりません。
offset+45mmでは、エンケイの2ブランドにもフロント側に、フェンダーからの突出に注意する必要との注記が付きました。
純正比でリム幅が1J太いため、その分で12.7mm、更にオフセットで5mm、合計17.7mmリムが外側に出る計算となります。
17インチ、7Jの05.サイズでも、ENKEIのホイールにフロントのフェンダーからの突出に注意する必要との注記が付きましたが、05.サイズの純正比は、リム幅分で6.35mm、更にオフセットで12mm、合計18.35mmリムが外側に出る計算となっていました。
これと比べると0.6mmしか変らないため、同じ様な結果になっています。
それ以上リムが外側に出るoffset+42mm、+38mm、+35mmのサイズになると全てのホイールブランドに注記が記載されていますので、これらサイズは純正設定の車高やキャンバー角のセッティングでは装着が難しいことが分かります。
18インチのZC33S型 スイフトスポーツ用ホイール
リム幅7Jと7.5Jの各サイズについては、ホイール外径17インチサイズと同じなので、コメントは割愛します。
リム幅が8Jとなる19.サイズには、純正設定の車高・キャンバー角では、フェンダー内に納めることができないにも関わらず、ENKEIの8ブランドが勢ぞろいしています。
あくまで、車高やキャンバー角を調整することを前提とするのならば、このサイズがZC33S型 スイフトスポーツに適していることを意味しているのかもしれませんね。
サーキット走行・ラリー・ダートトライアル向けZC33S型 スイフトスポーツ用ホイール
ここからは雑誌に記載されているものであったり、独自取材によって得られた情報です。
先ず、サーキット走行向けのサイズですが、ハイパーレブVol.223号に記載さていたのが、クスコのデモカーの装着ホイールです。
クスコ
Prodrive GC-05N:F)17inch、8J、offset+45mm、R)17inch、7.5J、offset+40mm
レブスピードVol.351(2020年3月号)の筑波スーパーバトル参戦車両の情報でも、ショップデモカーの装着ホイール情報が数多く掲載されていました。
レイル
RAYS ZE40:F)17inch、8J、offset+38mm、R)17inch、7.5J、offset+48mm
オリジナル ランデュース
ADVAN RG-D2:F)17inch、8J、offset+38mm、R)17inch、7.5J、offset+48mm
TMスクエア
CLEARWAYS:F)18inch、10J、offset+25mm、
BBS:R)17inch、8.5J、offset+55mm
アールズ
ENKEI PMF1:FR)17inch、7.5J、offset+48mm
ガレージFLUX
RAYS TE37SAGA:F)17inch、8J、offset+38mm、R)17inch、8J、offset+48mm
アクティブ
ENKEI NT03RR:FR)17inch、8J、offset+48mm
ナイトー自動車販売
RAYS CE28 CLUB RACER Ⅱ:FR)16inch、7.5J、offset+42mm
クルーズ
BBS RG-F:F)17inch、8J、offset+32mm、R)17inch、7J、offset+42mm
これらのサイズのホイールに関しては、各ショップに装着のノウハウがあると思うので、各々のショップに問い合わせた方が良いと思います。
ラリー・ダートトライアル向けZC33S型 スイフトスポーツ用ホイールについては、RAYSのTE37 GRAVELの適応情報に15インチ、6J、offset+35mmが、ZC33S型 スイフトスポーツ用と明記されていました。
この記事のアイコン画像として選択したモンスタースポーツのZC33S型 スイフトスポーツも、このサイズのTE37 GRAVELを履いているのでしょうか?
15インチのホイールが履けるということは、ラリー・ダートトライアルをやっている人以外にとっても、スタッドレスタイヤ用にインチダウンすることが可能となるため、それはそれで朗報なのですが、独自取材の結果では、装着できるホイールに制限があることが分かっていますので注意が必要です。
知り合いのラリードライバーが、ENKEIのRC-G5(15インチ、6.5J、offset+35mm)と、同じくENKEIのRC-T5(15インチ、6.5J、offset+40mm)を、それぞれZC33S型 スイフトスポーツに装着したところ、RC-G5の方は、ブレーキオイルのブリーダーバルブがリムに干渉してしまったのですが、RC-T5は干渉無しになんとか装着できたそうです。
但し、装着可能なRC-T5もブリーダーバルブのキャップがいつの間にか取れてしまうといった症状がみられるようなので、クリアランスは厳しいのかもしれません。
恐らく、リムの厚さが、鍛造のTE37 GRAVELが一番薄く、次いでターマック用のRC-T5、グラベル用のRC-G5が一番厚いのだと思います。
その差がブレーキオイルのブリーダーバルブとのクリアランスの差になっているのでしょう。
ZC33S型 スイフトスポーツに15インチサイズのホイールは履けないことは無いけれど、モノを選ぶ必要があるということだと思います。
※注
「ここに記載したホイールサイズ情報は、車両の個体差によってははみ出るリスクのあるものも含まれています。当サイトでは、そのサイズのホイールの装着を推奨するものではないことをお断りしておきます。」
適応ホイールサイズだけでなく、スイフトスポーツのチューニング情報に関してはハイパーレブがおススメです。