いにしえのホイール 井桁デザインホイールの源流 FORD RS
やり手のマイクが古い車を買ってきて、それを相棒が再生して売り抜けるというストーリーで構成されている「名車再生!」シリーズは私の大好きなテレビ番組の一つです。
先日も、この番組シリーズのひとつである「名車再生!ドリームカー大作戦」にマイフェバリットラリーカーの一つ、フォードエスコートMK1 RS2000が出てきたのですが、私の目は、そのフォードエスコートMK-ⅠRS2000が履いているホイールに留りました。
どこかで見た懐かしい井桁デザインのホイールを履いていたのです。
井桁デザインのホイールと言えば、トムスの名前を思い浮かべるのが普通のオッサンなのでしょうが、この時代のフォードエスコートも井桁ホイールを履いていることに少し驚きを感じました。
と同時に、トムスとフォードのどちらが先に井桁デザインのホイールを採用したのかが気になってきたのです。
そこで、井桁の源流はどちらなのか調べてみました。
先ずはトムスですが、会社自体が1974年に設立され、画像にもあるようにKP47スターレット等に井桁ホイールが履かされレースに参加していたようですので、早くても1974年から、と言うことになりますね。
対して、フォードエスコートMK1は1968年に登場し、当初からラリーカーとして成功を収めていたようです。
中でも、ハンヌ・ミッコラによる1970年のロンドン-メキシコ・ワールドカップ・ラリーでの優勝が名高く、これを記念してラリー仕様のエクステリアを持つ「メキシコ」が販売され、その「メキシコ」に装着されていたのが、この井桁デザインのホイールだったのです。
このホイールは「FORD RS」という名称が与えられていて、スポークの細い初期モデルはGKN(イギリス有数のエンジニアリング企業)で製造されていましたが、後にリリースされた強度・剛性の高い太いスポークのモデルは、フォードの自社生産ラインで製造されたようです。
「名車再生!ドリームカー大作戦」に採り上げられたフォードエスコートMK1はRS2000という1973年に5000台の限定生産されたモデルですので、フォード自社製の強度・剛性の高い太いスポークのモデルの「FORD RS」を履いているということなのでしょうか。
確かに、ホイールのアップ画像をよく見て見ると、井桁でもスポークの間には肉が詰まっていて、ツインスポークになっていないようですね。
1970年にはすでに「FORD RS」が出ていたということなので、トムスの会社設立より早くフォードが井桁デザインのホイールを世に出したということになります。
井桁ホイールは日本オリジナルってわけじゃなかったみたいですね。