歪んだホイールの簡単な見分け方
アルミホイールが「もう駄目だ」、「もう使えない」と判断されるのは、一体どの様な状態になった時なのでしょうか?
欠けてしまったり、クラックが入ってエアーが抜けてしまえば、タイヤが機能しなくなりますので、駄目になったと分かるでしょう。
見た目に曲がってしまったら、交換が必要だと考えますよね?ドライバーが異変を認識すれば、ホイールは駄目になったと判断されて交換されます。
ところが、見た目に変になっていなくても、ホイールが駄目になっていることもあるのです。
これは、とあるラリードライバーの若い頃、20年以上昔の話しです。
こんなことしている競技ドライバーは、今はもういないでしょうが、深夜の舗装林道での練習走行の帰り道、有料道路の料金所で通行料金を支払っていると(ETCなんてものは無い時代です)、後続車の運転手が慌てて降りて来て、そのラリードライバーのところにやって来て言ったのです。
「あなたの車、後ろのタイヤが取れかけていますよ‼︎」
それを聞いたその某ラリードライバーは、料金所を通過すると、直ぐに路肩に車を止めて、リアタイヤをチェックしました。
見た目に何ら問題はありませんし、レンチでホイールナットを締めてみても、全く緩んでいませんでした。
狐につままれた気持ちと、騙された悔しさを感じて、その日は帰宅したのでした。後日ラリーショップを訪れ、擦り減ったタイヤを交換していると、ショップのスタッフに、こう言われたそうです。
「このホイール歪んで使えないよ」
何の事は無い、先日の有料道路での後続車の運転手は、歪んでブレながら回転するリアタイヤを見て、外れかかっていると勘違いしていたのです。
確かに有料道路ではバイブレーションを感じていましたが、まだ若かった某ラリードライバーは、見た目に何ら問題がないのでホイールが駄目になっているとは思っていなかったようです。
そうなのです。
アルミホイールは見た目に問題がないように見えても、歪んでしまっていることがあるのです。
見た目に分からなくても、真円ではなく、僅かに楕円になっていたり、ディスク・スポーク面や、裏リムの面が反ってしまっていたりすることがあるのです。
しかし、見た目に分からないから厄介ですよね。
では、どうすれば歪んだホイールを判別できるのでしょうか?
ホイールバランサーにかけてチェックすれば、ホイールが歪んでいるかが分かります。
歪んでいないアルミホイールをホイールバランサーにかけると、綺麗に、ブレないで回転しますが、歪んだアルミホイールは、ブレながら回転の軌道も一定ではないので、直ぐに判別できます。
歪みのチェックはホイールバランサーでチェックするのが一番良いでしょう。
しかし、自分ではチェックできないですし、業者にお願いするので料金もかかってしまいます。
「何かもっと手軽のチェックする方法は無いの?」って思いますよね?
安心してください、ちゃんとありますよ。
手軽にホイールの歪みをチェックする方法
手軽にホイールの歪みをチェックする方法は、チェックしたいホイールを積み上げるだけです。
それだけで歪んでいるか、いないのか判別できるのです。
積み上げて真上から少し力を加えてみても、積み上げたホイールがガタついたり、崩れたりしなければ、それらのホイールは歪んではいません。
ガタついたり、崩れてしまえば、積み上げたホイールのどれかが、歪んでいる可能性が高いのです。
規格が存在する工業製品であるホイールは、それらの形状にバラつきはありません。
全てのホイールは規格に収まる範囲内で真円であり、反りは無いのです。
しかし、歪んでいるホイールは、真円でなくなっていたり、反りが発生しているので、それらを含んで積み上げた場合、ガタついたり、崩れたりしてしまうという訳なのです。
どうですか、簡単な方法でホイールの歪みをチェックできるでしょう?
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