Sタイヤやラリータイヤを装着するホイールに不可欠なローレット加工
軽さや剛性の高さが求められるスポーツホイールですが、競技に使用されるホイールの場合はそれ以外にも求められることもあるのです。
レースやジムカーナ、ラリーやダートトライアルといった自動車競技に使用されるホイールに施されていることが多いものとしてローレット加工が挙げられます。
ローレットとは、金属に施す細かい凹凸状の加工のことで、レースやジムカーナ、ラリーやダートトライアルといったコンマ秒差を争う自動車競技で使用されるホイールには、急激な加速・減速時にホイールだけが空転することを防ぐため、タイヤのビート部分に接するホイールのリムに、滑り止めの効果があるローレット加工が施されていることが多いのです。
競技使用が可能なホイールは、そのことが明記されているものが多々あります。
因みに、(ざっと見ただけですが)下記のホイールに関してはメーカーのウェブサイトに以下の様な説明がありました。
RAYS VOLK RACING ZE40
タイヤのパフォーマンスを引き出す為にローレット加工を施しています。また、リムフランジは、タイヤからの高い入力に負けない強度と剛性、軽量性をバランスさせた厚みを確保しました。
(※16インチにはローレット加工は施されておりません。)
RAYS VOLK RACING TE37 GRAVEL
ローレット加工
ビードシート部のローレット加工は、タイヤとホイールのズレ、空転を抑えます。これによりタイヤバランスの変化を最小限に抑え込みます。
ENKEI Sport RC-G5
ビードシート部のローレット形状を改良し、低いタイヤ内圧においてタイヤとリムの空転を更に低減。
TWS Motorsport T66-F
「ノンスリップ加工(タイヤズレ防止)」がほどこされているとTWSのサイトに記載されています。
因みにその加工方法はホイールメーカーによって異なるようで、
ZE40を見る限り、RAYSのホイールには、リム部分にクッキリと凹凸が刻まれています。
ENKEIのRC-T5では、画像のようにリムフランジ部分に薄っすら凹凸模様が刻まれています。
TWSのT66-Fでは、タイヤのビートが接する部分に平行となるような段差が設けられています。
因みに、ローレット加工がないSSRのGTX01のリム部にはそのようなものが一切なく、ツルっとしたままになっています。
ローレット加工のあるホイールならば、タイヤとホイールがしっかり噛み合い同調して回転させることが出来ると、これらの画像をみるだけでハッキリわかると思います。
自動車競技をやっていなくても、コンマ一秒でも早く走りたいドライバーならば、ローレット加工が施されたホイールを選ぶことをお勧めします。