消えたコンペティションホイールブランド SPEEDLINEとDYMAGのその後
書店で見つけた「日欧ツーリングカーの全て」という雑誌を最近買いました。
ITC(International Touringcar Championship:国際ツーリングカー選手権)に統一される前のイギリスのBTCC、ドイツのSTWに参戦していた1990年代のマシン等が一挙掲載されているハコ車好きにはたまらない内容になっている雑誌なのです。
ホイールマニアの私は、当時のツーリングカー選手権に参戦していたレーシングカーが、どんなホイールを履いていたのか、今一度確認するために購入したのです。
この雑誌には、アルファロメオ155TSやボルボ850、BMW318iといった一時代を築いた名車から、日本人には馴染みが少ない欧州フォードのモンデオやGMグループのボグスホールのカバリエやベクドラ、ルノーラグナ、プジョー406のフランス勢やトヨタカリーナ、日産プリメーラ、ホンダアコードの日本勢といった多岐にわたる車種が取り上げられています。
それらに装着されたホイールも色々あると思っていましたが、参戦車種ほどはバラエティに富んでおらず、OZとBBSが二台巨頭となっている感じでした。
少数派では、アルファロメオ155TSやルノーラグナに装着されていたSPEEDLINE、ボグスホールやマツダクセドス6(日本名ユーノス500)が履いていたDYMAG、日産プリメーラが一時履いていたRAYS、ホンダアコードが一時履いていたエンケイといったホイールがありましたね。
RAYSもエンケイもメジャーなコンペティションホイールブランドとして残っていますが、SPEEDLINEはその後どうしちゃったのでしょうかね?
WRCではスバルのグループAマシンのレガシィや初期のインプレッサにはSPEEDLINEが装着されていたのですが…
DYMAGも三菱のWRCのグループA参戦車両だったギャランVR4に装着されていたのですが、メジャーな存在にならないまま見なくなってしまいました。
こちらもどうなっているのでしょうか?
気になったのでちょっと調べてみました。
現在のSPEEDLINE
SPEEDLINEで検索してみたら、今もしっかり存在していました。
http://www.speedlinecorse.net/
2007年にスイスに本拠地を置くロナールグループに買収されているようですが、ブランドとしては健在で、今もラリーを中心としたコンペティションホイールを販売しているようです。
日本においては、自社ブランドのバケットシートJURANを販売する名古屋の株式会社タニダが、2011年ぐらいまでSPEEDLINE CORSEのホイールを扱っていたようですが、現在はインポーターが存在していないみたいです。
だから日本国内にあまり流通していない→「今どうなっちゃっているんだろう?」的な状況になっているのだと思います。
因みに当サイトのトップページの画像のホイールは2008年位のラリージャパンで撮影したものですが、その一つはSPEEDLINE CORSEのものです。
現在のDYMAG
DYMAGも本拠地であるイギリスで健在でした。
上記のサイトには
「現在、dymag performance wheelsは、モーターサイクルレースやロード用のカーボンマグネシュウム、アロイホイール、そして最新作の特許を取得したBOXSTROM🄬カーボンコンポジット自動車用ホイールを提供しています」
と記載されていますし、バイク用ホイールは日本にもインポーターが存在しているみたいです。
これからはカーボンホイールの時代になる可能性が高いので、自動車競技用ホイールの世界においても、いつの日にかまたDYMAGが脚光を浴びる時が来るかもしれません。
DYMAGが欲しかったけど入手できず、代わりにデザインが似たポテンザのR-5を自分のラリー車に履かせるほど個人的にDYMAGの5本スポークホイールが好きだったことを思い出しました。
日本でDYMAGのホイールがメジャーな存在になるその日が来ると良いと思っています。