TAS TECMAG Type211R 16inch 7J offset+40mm PCD112mm-5H 重量計測結果
TECMAG Type211Rは、PCD120mmや112mm、108mm等、サイズラインナップのほぼ全てが欧州車向けのサイズ設定となっています。
TASのサイトにおけるTECMAG Type211Rの説明には、
「過剰なホイールデザインが溢れる中、テクマグは多くの輸入車とのスタイリングバランスを重視しシンプルなデザインを採用しました。
テクマグはデザインコンセプトの一つであるセンターディープを実現するため各モデルに合わせたディスク面を複数(6~14フェイス)用意しました。
これによりディスク面に高低差が生まれシンプルなスポークに立体感を生み出ています。
性能面ではホイールに求められる性能(耐久性・高剛性・軽量)を高い基準(JWL基準の120%・90度インパクト試験クリア)で実現しており、安全で快適なドライブをお約束します。
“The Authentic Wheel TECMAG”」
と記載されています。
そもそもこのホイールの発売元のTASは、TECMAG以外にBORBET、AGA、ruote marchesini、MINILITE、CWORKSといった欧州車向けホイールばかりを扱っています。
その理由は、TASが豊田通商グループの一員であり、輸入車の電装品を取り扱う横浜ジェネレーター株式会社と2012年に経営統合して「株式会社ティー・エー・エス」となったからなのだと思っています。
欧州車部品を扱う会社が販売するTECMAGブランドは欧州車専用となるのも不思議な話ではないのでしょう。
このホイールの重量を計測してみたところ8.45kgとなりましたので、重量的には普通のホイールと認定しました。普通というよりはやや重たいホイールと言っても良いでしょう。
TAS TECMAG Type211R 重量結果
16inch 7J offset+40mm PCD112mm-5H(鋳造1ピース ゴムバルブ付き、15gバランスウエイト付き)8.45kg
TECMAGというブランド名からすると、このホイールがイタリアの銘品Tecnomagnesioの系譜に繋がるものだと思いますが、Tecnomagnesioは、レース用自転車の部品を製造するカンパニョーロ社から分離する形で、マグネシウムホイール専門製造会社として設立され、アルミホイールの製造も行っていましたが、その後いろいろあって既に会社は存在しておらず、現在はMIM Wheelsのブランドとして存続するのみです。
「MIM Wheels」で検索してみると、サイトがしっかり存在し、現在もTecnomagnesioブランドのホイールを販売しています。
http://www.mimtecnomagnesio.it/
ここを見てみたところ、MIM Wheelsのサイトには、TASが販売しているTECMAGブランドのホイールはひとつも存在していませんし、このTECMAG Type211Rのスポーク裏には「PRODOTTO IN CINA」と、イタリア語で中国製であることが明記されているのです。
そのため、TASのTECMAGブランドは、銘品Tecnomagnesioを騙るホイールなのか?という疑念が湧いてきたのですが、更にいろいろ調べてみたところ、Tecnomagnesioの商標は、株式会社ティー・エー・エスが2011年に商標登録を行い、日本におけるその権利を取得しているということも分かりました。
Tecnomagnesioの商標の権利は、株式会社ティー・エー・エスがしっかり所有しているので、TASが販売しているTECMAGブランドは、Tecnomagnesio直系のMIM Wheelsのものとは異なりますが、「日本におけるTecnomagnesioの正当なる後継ブランド」といって良いのだと思います。
TECMAGブランドが、銘品Tecnomagnesioを騙るホイールであることを一瞬でも疑った自分の浅はかさを少し恥じました。