車検に通るツライチセッティング ツライチオフセット値のシミュレーション その1
前回の豆知識で、ホイールの中心から前30度、後ろ50度の範囲で、車体からはみ出ないことが保安基準で定められていて、これが車検に通るツライチセッティングの限界であると書きました。
では、車検に通るギリギリツライチのホイールを選択するには、オフセット値はどれくらいにすれば良いのでしょか?
どうすればその数値を確認できるのでしょうか?
ホイールメーカー・発売元が、適応車種として挙げているならば、たとえ社外アルミホイールであっても、そのオフセットセッティングは、大抵ボディとのクリアランスをある程度確保しています。
そうではないサイズの場合は、ホイールメーカー・発売元は適応サイズとして挙げながらも、はみ出す可能性がある事を注記しています。
言い換えれば、ツライチセッティングを目指して、攻めたサイズを選ぶとしたら、これら注記付きのサイズから選ぶことになると思います。
しかし、ホイールの中心から前30度、後ろ50度の範囲で、万が一でも車体からはみ出せば違法改造となるリスクもはらんでいるのです。
そうならないためには、目星をつけたサイズのホイールを実際に使用してフィッテイングが出来れば良いのですが…、ジャストサイズのホイールを持つ知り合いなんて、そうそう見つかるわけもないですし、値段も高いですから試しに1本買ってとはなかなかいきません。
ではどうすればツライチのオフセット値を割り出すことができるのでしょうか?
その答えは、スペーサーを使って、ツライチとなるオフセット値シミュレーションするこが一番だと考えています。
ホイールスペーサーのバリエーション
2mm、3mmと5mmのホイールスペーサーしか使った経験がありませんが、それ以外にも1mm、8mm、10mmのタイプがあるらしいです。
大抵2枚セットで、その価格はせいぜい数百円から数千円程度と安価です。
走り好きな人は3-5mmのホイールスペーサーを持っていることが結構多いので、既に持っている知り合いがいれば借りても良いでしょう。
1mm、3mm、5mmの3タイプ各2枚を用意しておけば、最小1mmから最大18mm組み合わせで色々なシミュレーションができると思います。
ツライチをテーマとした前回の豆知識では、ランエボの純正ホイールを例示して書きましたが、純正アルミホイールは、一般的なサイズの社外アルミホイールに対して約15mm奥に入っていました。
現在使用しているホイールが純正アルミホイールならば、そもそもツライチ状態とのクリアランスが大きいので、5mmタイプのスペーサーは5枚くらいあった方がツライチホイールサイズをシミュレーションしやすいと思います。
次に用意するのは5円玉と糸です。キャッシュレスな現代でも5円玉1枚くらいはあるでしょう?
錘とする5円玉に糸を結び、ホイールの中心から前30度、後ろ50度の範囲に入るフェンダーから真下に糸垂らし、糸がタイヤ・ホイールに触れなければ問題なしと判断できます。
作業の注意点!
ここで注意したいのは、ジャッキアップ作業を伴いますので、安全を考え必ず傾斜のない平らな場所で作業を行ってください。
また、錘付きの糸を垂直に垂らしてフェンダーからはみ出していないかチェックをする訳ですから、ホイールスペーサーを挟み込んだ後にジャッキから降ろしたところが平らな場所でなければ意味がないのです。
傾斜のない平らな場所で作業を行うことは重要なポイントになると思います。
また、スペーサーを挟み込んだ状態でホイールを車体に取り付けるので、その厚みの分だけホイールナットのネジ山が噛んでいないことになるわけです。
タイヤ・ホイールという重量物を固定するには不安定と言わざるを得ないので、その状態で走行することはかなり危険な行為だと認識下さい。
さて、タイヤ・ホイールがフェンダーから突出しないギリギリまでホイールスペーサーを挟み込んだら、挟み込んだホイールスペーサーの合計の厚みを確認します。
その数値をシミュレーションに使用したホイールのオフセット値と合わせれば、シミュレーションに使用したホイールのリム幅でのツライチオフセット値が算出できるのです。
ですが、ちょっと長くなったので今回はここまでにします。
次回、ホイールのオフセット値そのもののおさらいをしてから、ツライチオフセット値シミュレーションの仕方ついてまとめてみます。
次回の豆知識に続く…