ホイールを塗装するのはちょっと待った! ホイール塗装の是非
工場出荷時の塗装のままのホイールを、オリジナル塗装ホイール、工場出荷後に別な塗装が施されたホイールは後塗りホイールとでも呼ぶのが一般的なのでしょうか。
- オリジナルの塗装が褪せたから、
- ガリ傷が目立ってきたから、
- 今乗っている車の車体の色に合わせたいから、
- なんとなく飽きて来たから、
様々な理由でホイールは新しい色に塗り替えられてしまいます。
後塗りホイールは、持ち主自身が缶スプレーで塗装したものから、塗装工場に持ち込んで、きちんと塗装したものまで、レベルの差が大きいですが、いずれにしろ、リセールバリューのあるホイールを安易に塗装しない方が良いと思います。
何故ならば、オークションをよく見ていると、後塗りホイールはどれも、オリジナル塗装のホイールより人気がないからなのです。
例え、プロに塗装を任せたホイールであっても、出荷時のオリジナル塗装のホイールの方が高い人気であることが多いのです。
そもそも、他人の好みのカラーで後塗りされたホイールが、別な人に好まれる可能性は極めて低いのです。
だから、リセールバリューのあるホイール、例えば絶版の軽量ホイールなどは、その時の気持ちに流されて、安易に後塗りしない方が絶対に良いのです。
でも…
オリジナル塗装が褪せたら、
ガリ傷が目立ってきたら、
今乗っている車の車体の色に合わせたくなったら、
なんとなく飽きて来たら、
やっぱり後塗りしたくなりますよね?
それなので、それぞれのケースごとに、おすすめの対応を考えてみました。
オリジナル塗装が褪せてきたら
先ずは細か目のコンパウンドで磨くことをおススメします。色褪せた塗装表面をコンパウンドを使ってミクロン単位で剥げば、あら不思議!ピカピカと言っても良いくらいになるのです。
軽量ホイールにありがちな、ホワイト、マットブラックなどの非メタリック系カラーのホイールならば、これだけで大分綺麗になります。
最後にワックスやコーティング剤を塗布すれば、綺麗な状態を長い時間保てます。
ただし、塗装ではないアルマイト皮膜やクロームメッキ系のホイールには対応できないので注意が必要です。
ガリ傷が目立ってきたら
ガリ傷を補修し、オリジナル塗装に合わせたタッチアップペイントを塗る方が、後塗りするよりもホイールのリセールバリューを損ねないと思います。
ガリ傷補修のコツは
-
丁寧な下地づくり
-
ホイールのカラーに合わせた調色
-
境目のぼかし
の三点です
ガリ傷補修の仕方は、別記事でアップしていますので、詳しくはそちらをご参照下さいね。
こちらも、塗装とは異なるアルマイト皮膜や調色が困難なクローム系カラーのホイールは対応が難しいですね。
ここまでは、綺麗じゃなくなったホイールを元の状態に近づけるパターンなので、オリジナル塗装のカラーと変わりません。
問題なのは、「今乗っている車の車体の色に合わせたくなったから」、「なんとなく飽きて来たから」というケースです。
これらが理由である以上、オリジナル塗装とは異なるカラーで塗装しないと気持ちが治らないというケースですね。
こんな場合の最適な対応としては…
剥がせるラバー塗装で塗り変える
最近良く見かけるようになったラバー塗装で塗ってみることをおすすめします。
通常の塗装なら、一度塗ったら元に戻すことは簡単にはできませんが、ラバー塗装ならば塗装面にラバー塗装皮膜をはってあるだけなので、簡単、綺麗に剥がすことができるのです。
さらに塗装面はラバーの膜が形成されるので傷防止にもなります。気に入った仕上がりにならなかったり、一度塗装した後に飽きて来たても、剥がしてしまえば元に戻る大変便利な塗装なのです。
「今乗っている車の車体の色に合わせたくなったから」、「なんとなく飽きて来たから」というケースには、まさにぴったりな塗装と言えるでしょう。
但し、良いこと尽くめに見える、このラバー塗装ですが、耐候性がせいぜい180日くらいなので長持ちしないですし、耐熱温度が100-150度くらいなので、ブレーキの排熱をモロに受けるリムの内側、車体側には使用を控えた方が良いと思います。