ホイールウォッチング レアな車のホイール画像集 Vol.67 シムカ1200Sクーペ
ホェールウォッチングじゃなくて、ホイールウォッチングです。
レアな車に装着されているホイールは、車同様にレアなホイールなので、街中で見かけたらそれらを撮影し、順次画像をアップしていく企画です。
今回は、先ごろ2回目の取材で訪れた首都高の大黒パーキングエリアで見つけたシムカ1200Sクーペです。
車好きを自認するわたくしですが、恥ずかしながら前回投稿したアルファロメオ モントリオール同様に、シムカ1200Sについて全く知らず、その知識は0。
シムカという自動車メーカー自体知りませんでしたので、今回の原稿を書くにあたって初めて知ることばかりの車両です。
シムカは1934年にアンリ・テオドル・ピゴッツィがフランスで設立した自動車メーカーで、設立された当時は高い関税を避けるため、ほぼ完成に近いフィアットをイタリアから輸入し、国内で最終組み立てを行いフランス車として販売することでシェアを拡大していったという、その成り立ちからしてフィアットの影響を多大に受けているようです。
一時期はルノー、プジョー、シトロエンに次ぐフランス第四の自動車メーカーだった時代もあったらしいですが、大株主であるフィアットが、1963年に株を手放したのを機にヨーロッパ進出の足掛かりとすることを目論むクライスラーに買収され、更に1978年にクライスラーがヨーロッパ事業をPSA・プジョーシトロエンに売却されてシムカブランドは消滅してしまったのです。
そのシムカが1967年から1971年まで製造していた1200Sクーペは、ジウジアーロによりデザインされたボディに1,294ccエンジンをリアに搭載しています。
フロントグリルも大きく、ボンネットにルーバーを備えているのですが、これはラジエーターをフロントに搭載しているからであって、エンジン自体はリアに搭載しています。
装着しているタイヤのサイズ表記を見ると、前後共に165/70R13のタイヤを履いており、そのタイヤが装着されているのはイタリアの銘品カンパニョーロのホイールです。
このカンパニョーロが純正ホイールなのか、社外ホイールなのかは分かりませんが、そのリムにはホイールサイズが刻印されているので、14インチ、5.5J、オフセット+19mmであることが判ります。
PCD計測ゲージを使って計測したところ、PCDは98mm-4Hでした。
クライスラー傘下だった1967年から1971年までに製造された1200Sクーペですが、PCDが98mmである点は、やはりフィアットの影響が色濃く残る車なのかもしれませんね。
フランス車なのにどこかイタリア車的なこの綺麗な小型クーペが、これから先もこのまま良い状態であり続けることを祈っております。