面一と書いてツライチと読む   ホイールツライチセッティングの注意点

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ホイールの表リム・ディスク面をフェンダーラインギリギリまで出すことをツライチセッティングと言います。

何故ホイールの表リム・ディスク面をフェンダーラインギリギリまで出すことを「良し」とするのでしょうか?

1960年代から1970年代初頭、当時のレーシングカーを模して、自分の車をカスタマイズしていた人達は、オーバーフェンダーなどを付けたのは良いけれど、純正サイズのホイールでは釣り合いが取れず、止む無くリムの真ん中をぶった切って継ぎ足し溶接を行ったワイド加工の鉄チンホイールを履かせていたりしたそうです。

その頃から「車幅は大きく、タイヤ・ホイールはなるべく外へ」という状態が格好良いとされていたのだと思います。

その後も一部のカーマニアにとっては、ホイールの表リム・ディスク面が少しでも奥に引っ込んでいることが、恥ずかしく、耐えられないことであることは変わっていないようですね。

確かに、昔の国産車には、タイヤとフェンダーの隙間に拳一つ余裕で入るほど大きく、ホイールの表リム・ディスク面が奥に数センチも引っ込んだひどい状態のものが多かったことも確かです。

そこまでひどいものは最近なくなりましたが、それでもツライチという状態にはなっていませんし、タイヤ外径とフェンダーアーチの間には未だ少し余裕があります。

 

純正タイヤ・ホイールは、なぜ余裕を持たせたサイズなのか?

これはタイヤチェーンを付けることを想定しているからなのだそうです。

タイヤにチェーンを巻き付けた状態で、サスペンションがストロークしても、フェンダーやボディを傷付けない、タイヤに巻かれたチェーンがフェンダーからはみ出さない、このようなことに配慮されてのことらしいのです。

因みに、純正ホイールと社外ホイールを比較すると、表リム・ディスク面が、どれ位奥に入っているのでしょうか?

純正アルミホイールのツライチ度を社外アルミホイールと比較して確認してみた

以前、三菱ランサーエボリューション8、9の純正ホイールと社外ホイールを比較してみたことがあります。

三菱ランサーエボリューション5からエボリューション9用ホイール重量比較はこちら!

ランエボⅧ純正ホイールのサイズは17インチ、8J、オフセット+38mm、ランエボⅨ純正ホイールも同じ17インチ、8J、オフセット+38mmとなっています。

対して社外ホイールのサイズは各社各ブランドでバラつきはあるものの、凡そ8.5Jで、オフセットは+30mmから+35mm位が大半となっています。

オフセット値が同じ+38mmだと仮定すれば、社外ホイールは純正ホイールに対して、0.5インチ(12.7mm)の半分、即ち6.35mm、表リム・ディスク面が外にでることになります。

更に社外ホイールのオフセットが+35mmならば、純正ホイールのオフセット+38mmよりも3mm、オフセット+30mmならば、8mmも外に出ることになるのです。

リム幅0.5Jの差で6.35mm外に出ることと合わせれば、オフセット+30mmの社外ホイールは、純正ホイールと比べて表リム・ディスク面が、8mm+6.35mm=約15mmも外に出ることになるので、純正ホイールは社外ホイールに比べて約15mmもマージンを持つことがわかります。

タイヤチェーンの太さは9mmタイプと12mmタイプが存在するらしいのですが、社外ホイールに対して表リム・ディスク面が約15mも奥に入っている純正ホイールのサイズは、実に絶妙な設定になっていることが分かりますよね。

 

では、タイヤチェーンの装着を考えなければ、表リム・ディスク面はどこまで外に出せるのでしょうか?

某警察交通機動隊の白バイに車を止められ、左右タイヤの端から端までメジャー計測をさせられ、車検証記載の車幅を超えているのを確認させられた上で違反切符を切られた経験がある知り合いがいますが、自分の望むままに、タイヤ・ホイールを限りなく外に出して良い訳ではありません。

タイヤ・ホイールのはみ出しは、道路運送車両の保安基準によって制限を受けるのです。

タイヤ・ホイールがはみ出していると見做されるのはどんな場合?

「ホイールの中心から、前方30度、後方50度の範囲でタイヤ・ホイールが少しでもはみ出していれば、保安基準に不適合」と判断され、車検には通りません。

 

ツライチ 保安基準

但し、タイヤに関しては保安基準の改正を受けて、平成29年6月22日以降、タイヤの突出量10mm未満の場合には「外側に突出していないように見做す」という取り扱になっています。

10mm未満なら突出が許容されるようになりましたが、そもそもこれは、サイドウォールから盛り上がったタイヤのラベル、ホイールリムを守るためのタイヤの盛り上がり=リムガードの類を指していますので、ホイールの突出についての規定は、以前と実質的になんら変わっていないということです。

法律で規制されているので、「ホイールの中心から、前方30度、後方50度の範囲でホイールが少しでもはみ出さない範囲」というのが、ホイールのツライチセッティングのギリギリのラインということになります。

ギリギリまで攻めたツライチセッティングにしないまでも、チェーンを装着することがあるならば、それを見越してフェンダーとのクリアランスを考慮に入れたサイズ選択が必要なのだと思います。

個人的には、チェーン装着の可能性があるならば、一般的な社外ホイールサイズよりも、よりクリアランス面でセイフティな純正ホイールサイズを選択することが無難なのでは?と考えています。

ホイールツライチセッティングの注意点

  • 車検に通るギリギリのツライチホイールサイズセッティング

→ホイールの中心から、前方30度、後方50度の範囲でホイールが少しでもはみ出さない範囲

  • タイヤチェーン装着の場合のホイールサイズセッティング

→純正ホイールサイズに準拠

という感じになると思います。

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