リムオーバーデザイン・オーバーフランジデザインのホイールとは? そのメリット、デメリットは?

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当サイトでも度々出てくるのですが、今回の豆知識では、リムオーバーやオーバーフランジという言葉について、解説してみたいと思います。

そもそも、リム(rim)もフランジ(fringe)も、訳せばどちらも周縁という意味になります。

ホイールの部分名称解説図

画像はトーキョーオートサロン2018で撮影した、ホイールの部分名称を解説したパネルですが、どちらもホイールの周縁部を指していることが分かります。

■リムオーバーとは?そのメリットは?

リムオーバーとは、スポークがリムまで伸びたデザインのことです。

ホイールのフチ、ギリギリまでスポークが伸びたデザインのため、視覚的に大口径に見えることが、デザイン上のメリットになります。

リムオーバーデザインならば、実際のサイズは17インチホイールであるのに、視覚的に大きく見え、まるで18インチホイール位に見せることができるということがメリットなのです。

デザイン上のメリットだけではなく、応力が集中するフランジ部までをスポークでしっかりと支えるため、ホイールの剛性を高めることができるということが、リムオーバーデザインの機能面でのメリットになります。

リムオーバーデザインのホイール例

・RAYS VOLK RACING CE28NF

RAYS VOLK Racing CE28NF 17inch 8.5J offset+38mm PCD114.3mm-5H 重量計測画像

・WEDS SPORT SA-70

WEDS SPORT SA-70 17inch 8J offset+42mm PCD114.3mm-5H 重量計測画像

・TAKECHI PROJECT RACING HART CP-S10

TAKECHI PROJECT RACING HART CP-S10 18inch 8J offset+36mm PCD114.3mm-5H重量計測画像

・Breyton RACE GTS-R

Breyton RACE GTS-R 18inch 7.5J offset+45mm PCD120mm-5H 重量計測画像

■オーバーフランジとは?そのメリットは?

オーバーフランジとは、ホイールのディスク・スポーク面の横から見ると、フランジ部分よりディスク・スポーク部分が隆起して見えるデザインです。

ホイールを正面から見ると、奥行きを感じ、立体的のあるデザインになることがオーバーフランジのメリットになります。

ホイールデザインの差別化は、ほぼやり尽くされた感もありますが、オーバーフランジデザインを採用することで、立体感のあるデザインのホイールが近年多くリリースされています。

オーバーフランジデザインのホイール例

 

・ADVAN Racing RZ

YOKOHAMA ADVAN Racing RZ 18inch 8J offset+45mm PCD120mm-5H 重量計測画像

 

このようなメリットのあるリムオーバーデザイン・オーバーフランジデザインのホイールなのですが、デメリットも存在します。

■リムオーバーデザイン・オーバーフランジデザインのデメリット

 

①リムとスポークの接合部分がデッドウェイトになりがち

リムオーバーデザインを採用するBreyton RACE GTS-RやTAKECHI PROJECT RACING HART CP-S10やWEDS SPORT SA-70等、は軽量化のためリムエンドに繋がるスポーク下の部分を肉抜きした「アンダーカット構造」なるものを採用しています。

これにより重量が嵩むのを防いでいるのですが、CE28NFはこの部分の肉抜きがされておらず、デッドウェイト化しています。

その結果的CE28NFは、通常のCE28Nよりもやや重めになってしまっているのです。

 

②リムではなくスポーク部分傷が付きやすい。

スポークがリム部分より外側に出てしまうリムオーバーデザイン・オーバーフランジデザインのホイールは、縁石等にホイールを擦ると、スポーク部分にダメージを受けてしまいます。

下の画像はリムオーバーデザインを採用したWEDS SPORT SA-70に入った傷の画像ですが、リムではなくスポーク部分に酷いガリ傷があることが分かります。

WEDS SPORT SA-70のスポークの傷の画像

リムにできた浅い傷ならば、サンドペーパー等で均した上でタッチアップして目立たなくすることも出来るのですが、スポークについた傷はそういったことが難しく、傷をごまかしにくいのがデメリットと言えるでしょう。

また、縁石に擦らなくても、安易にホイール表面を下にして倒したりしてしまうと、ディスク・スポーク部分に簡単に傷が入ることがあることもデメリットと言えるでしょう。

 

③車体からタイヤが出ていないのに車検に通らないことがあり得る

極限まで車体とホイールのディスク・スポーク面を均一にする、いわゆる「ツライチ」セッティングを好むユーザーにとって重要なのは、車検に通るのか、通らないのかではないでしょうか?

車検には、「前30度・後ろ50度」の範囲で、タイヤ&ホイールがフェンダー内に収まっていないと、はみ出し扱いとする回転部分の突出禁止規定があり、この規定を超えて車体からタイヤ・ホイール部分が突出していると車検には通りません。

タイヤに関しては、「10mm未満の突出量ならば、突出していないものとみなす」と最近規定が変更になりましたが、この規定変更は、あくまでタイヤに関してのみなので、ホイールの突出は認められていないのです。

極端なリムオーバーデザイン・オーバーフランジデザインのホイールの場合、タイヤは車体から突出していなくても、隆起したホイールのディスク・スポーク部分が車体からはみ出していることが起こりえるので、ツライチセッティングを目指すのならば、規定内に収まっているかということに対して十分注意することが必要なのです。

 

どうでしょう?リムオーバーデザイン・オーバーフランジデザインについて纏めてみました。

これらのデザインは最近流行っていますが、注意すべき点もあることを認識しておきましょうね。

「リムオーバーデザイン・オーバーフランジデザインのホイールとは? そのメリット、デメリットは?」以外にも、アルミホイールに関する豆知識を多数まとめています。こちらも是非ご覧ください。

※「アルミホイールに関する豆知識」はこちら

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